考える力

サラリーマンをしていると、時に、プロジェクトに関わることがあります。

私も、そのようなプロジェクトを、先輩社員がしているのを見聞きしたことがあります。

また、自らがプロジェクトメンバーとして、活動していたこともあります。

しかし、どのプロジェクトにおいても、事をスムーズに推進し、完結できたことはなく、中途半端に終わる場合がほとんどでした。

そのようなプロジェクトの共通点として、下記が挙げられます。

・外部のセミナーやコンサルタントに頼り、お金を払うことで満足してしまう、

・プロジェクト会議のための、会議の運営がメインとなり、そのための会議設定やスケジュール調整に終始してしまう、

・プロジェクトの責任者が、そのプロジェクトの中身を理解しておらず、かつ、自らの成果に繋げることだけを意識している、等々。

プロジェクトというのは名ばかりで、あまりに実態の無い場合がほとんどです。


また、そのプロジェクトの目的が不明確で、手段の目的化が起こっている場合もあります。

平素より働きながら感じていることですが、この目的と手段とを明確に区別し、使い分けている人が非常に少ないです。

以下、引用です。

手段の目的化とは、もともと、ある目的を実現するために手段を選択したはずなのに、その手段を実行すること自体が目的化してしまうこと。

例えば、社員のモチベーションを向上するために導入した社員旅行が、年数を経るうちにそれ自体が目的化し、モチベーション向上にはつながらないケースが挙げられる。

−goo辞書より引用−

上記の例においては、元々の目的は社員のモチベーション向上、その手段が社員旅行であったわけです。

それが時と共に陳腐化し、社員旅行を行うことが目的、になってしまったわけです。

つまり、プロジェクトにおいては、プロジェクトを行うことが目的、になってしまうわけです。

そうなると、手段が無いため、プロジェクトそのものを進めようがない、ということになります。


さらに、働く上での基礎的な積み上げが無いため、ハードルの高いプロジェクトを推進することができない場合もあります。

その積み上げに必要なことが、作業と仕事の違いの認識、です。

プロジェクトは厳密に言うと、仕事に該当しますが、作業と仕事は、そもそもの意味合いが異なります。

zer-0-base.hatenablog.com

以下、引用です。

・「作業」とは、「ルーチンワークを言われた通りにこなすこと」です。どんなに丁寧に、真面目な態度であっても、上司に言われたことをそのまま形にしているだけでは「作業」の域を出ません。

・「仕事」とは、上から指示されたことを完成させた上で、さらに「これでいいのか」と疑問を持って、自分なりの⼯夫を施していくこと。上司だって完璧ではありません。⼯夫の余地がないことなんて絶対にないです。

・「仕事」とは、任せられた業務の目的を把握して、「お客様や後⼯程の仲間のために、もっと良くできないか?」「より早くできないか?」などを考え、創意⼯夫しながら、やるもの。これが「仕事」です。

・仕事 = 作業 + 改善

-飯島電⼦⼯業(株)採用ページ「社⻑のメッセージ」からの引用-

別の視点から言うと、何も考える必要がないことが作業、何か考えて変化を起こすことが仕事、です。

つまり、作業ばかりに従事し、真に仕事をしていないと、考える力が無くなっていくということです。

考える力が無ければ、プロジェクトを推進することはできません。


考える力を失い、周囲から言われるがままの状態を続けていくと、無思考、受け身から、

ついには、奴隷と化してしまいます。

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では、真に考えて仕事をしていくには、どのようにすれば良いのでしょうか?

ひとえに、疑問を持つことが第一です。

同じ作業をする場合においても、

この作業は"何故"このようなやり方をしているのだろうか、他に良いやり方はないのだろうか、

この作業は"何故"ここでやっているのだろうか、ここでやることが適切なのだろうか、

この作業は"何故"存在しているのだろうか、そもそも、必要なのだろうか、等々に疑問を持つことです。

ひたすら疑問を持ち、納得いくまで、答えを求め続けることです。


このように疑問を持ち、それを周囲に確認すると、嫌がる顔をする人達が大勢います。

大勢いますが、嫌がられれば嫌がられるほど、真に仕事をしていると思えば良いです。

嫌がられるほどに、考える力は着実に身につき、プロジェクトを推進する力にも繋がっていきます。


ただの無思考な作業から脱却し、

考える力をつける行いを習慣化すること、

それが大切なことです。

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