コロナ禍
新天地での二日目以降、本格的に業務の引継ぎが開始されました。
その前任の担当者は、別のチームに行くことが予定されており、引継ぎ期間は実質、2週間でした。
また、新入社員とは違い、ある程度、わかっている前提で入社しているため、引継ぎも簡素なもので、手取り足取りというわけでもありません。
転職するというのも、甘くはないなーと思いつつ、また、手順書くらいあればなーと思いつつ、無きゃ無いで作ればいいや、くらいの意識で、引継ぎを受けた直後に、残業しつつ、手順書を作成していきました。
そんなこんなで2週間があっという間に過ぎ、給料日を迎えました。
転職において、正式な内定が出る段階で、年収の提示もあり、おおよその給料は把握していました。
金額的には満足でした。
が、やはり、それまでの繋がりが一切無くなったことによる、ストレスのほうが、お金の満足感を上回っていました。
世の中、お金は必要だけど、お金で買えないものもある、結構、大事な教訓です。
(宝くじが当たると人生がおかしくなるから当たらないほうがいいと、父親からよく言われていたことを思い出します。)
転職エージェントからは、1年くらいは、前の会社のことも思い出し、今の会社とのギャップを感じるかもしれませんが、その後は徐々に薄れていきます、とアドバイスは貰っていました。
粛々と業務を行う日々が、続きました。
会社は違えど、それなりの規模になると、待遇面でそれなりの違いは出てきますが、所詮、会社に属するからには、奴隷社畜ロボットには変わりありませんでした。
そのような時に、年末に会社での在宅ワークのトライアル募集があり、上司の勧めもあって、申し込みました。
(この時の判断が、後に英断であったと判断することになるのは、もう少し先のことになります。)
年が明け、1月中旬頃から、在宅ワークを開始するための、パソコンや携帯電話の準備を進めていきました。
すると、そこに、やってきました。
コロナです。
テレビや新聞といったメディアが、中国の武漢から、日本にもコロナが入ってきた、コロナによる死者が出た、としきりに報道し始めました。
そのような状況において、会社では、コロナ対策会議なるものが設立され、会社における方針が決定していきました。
極力、在宅ワークをできる人は在宅ワークをするように、とのお達しがありました。
私が所属していたチームでは唯一、私が在宅ワークの環境をいち早く整えていたため、3月以降、早速、在宅ワークを実施することになりました。
最初のほうは、会社に出社して、仕事をしたほうが効率的だと思う部分もありましたが、慣れというのは恐ろしいものです。
在宅ワークをやればやるほど、その環境に適応しやすいように、仕事のやり方自体を変えていきました。
(人間の環境への適応力は目を見張るものがあるように思います。)
その後は、一ヶ月に1、2回出社する程度で、在宅ワークが主流になっていきました。
会議や打ち合わせは、ウェブで行うことも、主流になっていきました。
そのときのコロナの話題としては、緊急事態宣言なるものを発出し、外出規制が敷かれるというものでした、5月のことです。
コロナって恐ろしいなー、外出しないで家で生活できるよう、物資を揃えておかないとなー、というのがそのときの私の意識でした。
そのような日々を、3ヵ月ほど過ごしていると、上司のほうから、緊急にチームでの打ち合わせがしたい旨、連絡がありました。
設定された時間にウェブ会議に入ると、上司のほうから、私達と同じ部門の同僚から、コロナ感染者が出た、というお話がありました。
聞いた瞬間に、えっ?!となりました。
今、テレビで話題になっている、そのコロナがこんな身近なところに?!となりました。
そして、さらに気を引き締めないとなー、感染対策をよりしっかりしなければなー、と思うようになりました。
以降も引き続き、テレビや新聞、インターネットでコロナの専門家による、コロナの話題が溢れました。
巣ごもり、飲食店への時短協力、外出規制、人流抑制、安倍首相退陣、菅首相誕生、コロナワクチン開発、etc...
そのような話題を主流に、2020年が終わりました。
そして、2021年を迎えました。
年明け以降も、コロナは終わりませんでした。
2020年度末の人流を抑制できなかったことにより、コロナ感染が拡大していると、多くのメディアが報じました。
そうかー、さらに気を引き締めて感染対策しないとなー、と思っていました。
以降は、感染拡大→人流抑制→感染縮小→経済回復→人流拡大→感染拡大、といったスパイラルに陥り、わけがわからなくなってきました。
巣ごもりストレスもあり、まともな判断ができなくなってきていたのかもしれません。
そのようなときに、メディアで、コロナワクチンができたと報じられました。
テレビを始めとしたメディアは、専門家が、コロナワクチンを打つことで、感染者を抑えることができる、と。
政府分科会の尾身会長が、全人口の7割がワクチンを打てば、集団免疫を獲得できると、菅首相との共同会見の中で言われていました。
ワクチンを打てば、このコロナ禍から解放される、そう思っていました。
しかし、後日、家庭内にて一悶着起こりました。